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◇知事「原発で不同意も」
高速増殖原型炉「もんじゅ」の炉内中継装置落下への対応などを巡り、東京都内で16日開かれた3者協議。西川一誠知事は、高木義明文部科学相、大畠章宏経済産業相に対して、協議の冒頭から、政府が北陸新幹線の県内延伸を年内に決めるよう強く要望した。だが両大臣は「政府全体で取り組む」という従来の回答を繰り返すばかり。国の調査チーム設置についても、文科省は日本原子力研究開発機構内への設置にとどめた。【安藤大介、酒造唯】
北陸新幹線について西川知事は、鳩山由紀夫前首相ら政府関係者が、これまで県内延伸に前向きな発言はするものの、着工認可が出ない現状を指摘。「国の対応はもんじゅの運転再開を認めた県民の信頼を裏切るものだ」と厳しく批判した。さらに「果たされない場合には、県としても国のエネルギー政策への対応のあり方を考えざるを得ない」と、なりふり構わぬ姿勢を見せた。続けて、県の主要要望事項=別表=を挙げた。
これに対し、高木文科相は「北陸新幹線延伸への地元の皆様の思いを改めて重く受け止めた。予算編成に向けて国土交通相にお話しし、政府全体で取り組んで参りたい」とした。またエネルギー研究開発拠点化計画、電源立地に対する交付金制度の充実を約束した。大畠経産相は「年末の予算編成において、立地自治体からの要望も踏まえ、しっかり対応したい」と語った。
両大臣の発言に西川知事は、「県内各界そろって、国の取り組みに不安と不満を募らせている。国は的確に指導し絶対に事故を起こさない対応を取ってもらいたい。万が一、ナトリウム漏れ事故のような事故があれば、もんじゅの存立さえ難しくなる」と指摘。「(来年度予算編成の)ぎりぎりの時期だ。両大臣には、担当大臣(国交相)、政府の責任者にぜひとも約束の実現を迫ってほしい」と、新幹線問題への対応を重ねて求めた。
また、西川知事は「国のエネルギー政策への対応のあり方を考えざるを得ない」とも述べた。協議後の会見で真意を問われ「もんじゅの40%出力試験とか、他の原発を巡る問題など、県内にはいろんな課題がある。(地元の)理解を得るのは困難になるだろうということを申し上げた」とし、新幹線の県内延伸が年内に決まらなければ、原発を巡るさまざまな局面で、県が同意しないこともあり得る、との認識を明らかにした。
炉内中継装置落下トラブルに対応する調査チーム設置については、県と国で温度差があった。知事はあくまで国による設置を要請していたが、高木文科相は「機構が設置し、文科省も出席する」と回答。知事は異議を唱えなかった。
背景には、県と機構が結んでいる安全協定がある。「国が事故調査のために特別に委員会を設置したときは、運転再開に事前協議が必要になる」と定めており、もんじゅナトリウム漏れ事故(95年)と、関西電力美浜原発3号機蒸気噴出事故(04年)で設置された前例がある。
もし今回のトラブルで国が委員会を設置すれば、もんじゅの40%出力試験前の再起動に際して知事の同意が必要になる見込みがあった。ある関係者は「国は県に『もんじゅカード』を渡すことを避けたのだろう」と解説する。
一方、西川知事は「文科省が参加するのは(国の設置に)近い状態」と受け入れた。石塚博英・県安全環境部長は「節目節目で、知事は政治的判断をすることに変わりはない」とし、運転再開に知事の判断が必要になると考えている。
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◆3者協議で県が示した要望事項◆
(1)「もんじゅ」の安全確保について
1.原子力機構の安全文化に対する県民の信頼が揺らいでおり、国が前面に立って、機構の日々の組織運営、安全活動などに対する指導・監督、安全規制をいっそう強化し、国自らが県民への説明責任を果たすこと
2.炉内中継装置の復旧対策、40%出力試験、出力上昇試験(100%出力試験)など今後の性能試験全体の工程と内容を県民に明らかにすること
3.機構の管理体制を一層充実、強化するとともに、炉内中継装置の復旧などにかかる技術的課題については、外部専門家による国の調査チームが機構の対応を厳格に確認すること
(2)北陸新幹線の敦賀までの認可・着工について
北陸新幹線について、国土計画・地域振興の観点から、年内に「敦賀まで」の認可・着工方針を明確に示し、新規着工区間にかかる来年度予算を確保すること
(3)地域振興策の着実な実行について
1.「エネルギー研究開発拠点化計画への支援」「高規格幹線道路の早期開通」「敦賀港の(日本海側)拠点港湾への選定」「(原発で事故発生時の)避難道路の整備」など、(今年4月の)「もんじゅ関連協議会」において要請した事項の実現を図ること
2.電源立地対策費などの予算を減じることなく、電源立地地域への財政支援措置を十分に行うこと
12月17日朝刊
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